Column

ポリエステルとナイロンの違いとは?洗濯する前に素材を見分けてみよう

衣服を洗濯する時には、製品タグや取扱い表示タグを見て正しい洗い方をすることが大切です。この時、”ポリエステル”や”ナイロン”という表記を目にすることがありますが、一体何が違うのでしょうか。そこでこの記事では、ポリエステルとナイロンの違い、メリット・デメリットなどについて詳しく解説します。

ポリエステルとナイロンの違い

ポリエステルとナイロンは見た目だけでは、なかなか違いを確認できません。その理由と見分ける方法を解説します。

どちらも化学繊維

繊維素材は大きく分けると天然繊維と化学繊維の2種類。天然繊維とは、綿や麻、羊毛などのように天然の素材を原料とした繊維のことです。一方、ポリエステルとナイロンはどちらも化学繊維に分類され、主に石油を原料として化学的な合成プロセスを経て製造されます。

ポリエステルとナイロンの見分け方

ポリエステルとナイロンは燃える時の挙動が大きく違います。ポリエステルは燃えた部分が冷えると”黒褐色の塊となる”ことが特徴ですが、ナイロンの場合は”ガラスのような硬い球になる”ためです。しかし、いくら素材を見分けたいからといって、大切な衣服を燃やすわけにはいきません。

外見から見分けるのは非常に難しいですが、手触りをヒントにできます。ナイロンはポリエステルよりも摩擦係数が小さく、ツルツルした手触りが特徴の素材です。つまり、二つの繊維を用意して両手で同時に触ってみれば、その触感をヒントに見分けることができます。

ポリエステルとは

一言でポリエステルといっても数種類に分けられますが、一般的にはポリエチレンテレフタレート(PolyEthylene Terephthalate:PET)繊維のことを指します。ペットボトルと同じ素材で、1998年頃には”フリース”がブームとなったことでも有名です。

メリット

〇洗濯が容易で乾きやすい
〇しわになりにくく、形が元通りになりやすい
〇洗濯耐久性があり、衣服の伸び縮みが少ない
〇耐熱性がある

デメリット

〇吸湿性が低い
〇静電気が生じやすい

良く使われているアイテム

乾くのが早く、耐久性も高いため、Tシャツやポロシャツなどの普段着や作業着などの、高頻度で繰り返し洗濯される衣服によく使われています。

ナイロンとは

1935年頃に世界で初めての化学繊維として発明されたことでも有名な素材です。ナイロンも細かく見ると数種類に分けられますが、衣服で一般的に利用されるのはナイロン6と呼ばれる繊維です。ナイロン6も石油の成分を化学的に処理したε-カプロラクタムから製造されます。

メリット

〇肌触りが良く、柔らかい
〇強度が強い
〇染色が容易にできる

デメリット

〇型崩れをおこしやすく、ハリ・コシがない
〇ポリエステルと比べて価格が高い
〇日光、紫外線で劣化(黄変)することがある

良く使われているアイテム

滑りが良い肌ざわりや、薄くても強い生地となるため、ストッキングによく使われています。ナイロンストッキングが作られた当時、「石炭と水と空気から作られ、鋼鉄よりも強く、クモの糸よりも細い」というキャッチフレーズが生まれたことでも有名です。

混紡生地とは

どのような素材にもメリットとデメリットがありますが、デメリットを補い、新しい機能を付与するために2種類以上の繊維を混ぜた糸で生地を作ることがあります。このような生地が混紡生地と呼ばれています。

無限の可能性を秘めた繊維「ソロテックス」

帝人フロンティアの「ソロテックス」は、ポリエステルの仲間であるポリトリメチレンテレフタレート(PTT)を使用した繊維です。
しなやかなバネのようならせん状の分子構造から、ストレッチ性、発色の良さ、ソフトなクッション性などの特性があります。
また、他の繊維とも複合しやすく、相手繊維の特性を活かしながら、新たな機能性を加えることが可能です。
こちらの記事では、サフィラン社のリネンと「ソロテックス」をミックスした生地を採用したSHIPSの定番商品を紹介しています。
サフィランの上品な質感はそのまま、シワになりづらくストレッチがきいていて動きやすい「ソロテックス」の機能も兼ね備えた人気の商品です。

ポリエステルと綿の混紡素材は夏に最適

ポリエステルはサラサラした肌ざわりで清涼感に優れ速乾性があり、洗濯後乾きやすいですが、吸湿性が低くて汗を吸いにくいというデメリットもあります。吸水性の高い綿と混紡することで、ポリエステルのデメリットを解消するとともに、綿のシワになりやすいというデメリットも解消できます。

特に、ポリエステルと綿の混紡繊維は清涼感と吸水性を両立できるため、夏に最適な素材として広く利用されています。

まとめ

ポリエステルとナイロンはどちらも化学繊維に分類されますが、手触りをヒントに見分けることができます。ポリエステルは洗濯が容易で乾きやすく、ナイロンは肌触りが良く強い生地であることが特徴です。素材のデメリットを補い、また新たな価値を付与するために、天然繊維と混紡して生地にしたものも展開されています。

TOPページへ戻る

スペシャルサイト「SOLOTEX」はこちらソロテックスに関する特集記事をチェック!

関連記事

新着記事